恋だとか愛だとか

ちょいと前にがっつり喰いついて読みました。

恋しくて:村上春樹編訳

実は村上春樹さんの小説はあまり読みません。
でも、翻訳は別。
メジャー級からマイナーな海外作家を紹介、翻訳してくれます。
作家への敬意と愛情、背景など、とても親切に解説。
おかげさまで「華麗なるギャッツビー」のフィッツジェラルドなんて大好きになりました。

さてこの本は、村上さんが「へえ、今時こんなにストレートな恋愛短編小説があるんだ」という驚きと感動から編訳された9篇の恋愛小説が楽しめます。
とはいっても、変化球もあり。ブラックなものもあり。

「愛し合う二人に代わって」
「L・デバードとアリエット」
「恋と水素」

私はこの3編がストレートに心に響きました。
特に「Lデバードとアリエット」はJ・アーヴィングを彷彿させる構成とラストの美しさ。

アーヴィングさんも新刊「神秘大通り」がでたようなので、早く読みたいですー!


[PR]
by hegetare-tsuma | 2017-08-19 21:12 | へげたれ文庫 | Comments(0)

地平線の相談

細野さんが・・・好きだっ。

以前ほぼ日で連載していた夢日記(細野さんがみた夢をイラストレーターが可視化)で「面白い人なんだなー」
NHKの大科学実験のナレーションで「あら、良い声」
と私の中で好感度をあげてきていましたが、今回読んだ本ではっきり好きになりました。

「地平線の相談」細野晴臣・星野源

e0241833_09330749.jpg

この本は星野さんが、細野さんに毎回悩み相談をする、という体の対談集なのです。
そこで繰り広げられる、どーでもいい相談と回答、そして音楽への熱情。
星野さんの細野さんへのリスペクト(本のタイトルは細野さんの著書「地平線の階段」から、カバーデザインは「泰安旅行」から)にあふれながらも、おしゃべりを楽しんでいる空気がこの本からふわんふわん漂ってきます。
いいなぁ。

今度は細野さんの音楽を聴いてみよう!(・・・まだ聴いてない。大したファンですよね~)






[PR]
by hegetare-tsuma | 2017-03-02 09:41 | へげたれ文庫 | Comments(2)

輝ける文士たち

作家が「文士」と呼ばれた時代があったんですね。
「輝ける文士たち」樋口 進

文芸春秋の元社員(カメラマン)が収めた、昭和の名だたる文士、川端康成、永井荷風、谷崎潤一郎、吉田健一、大岡昇平、高見順等々の日常生活。
先生方のお側近くに控え、雑事をこなしつつ、旅行や酒席に同行した方だからこそ撮れた一枚。
その写真をみていると、きどりのない文士たちのしゃべりや、昭和の風俗、雑多な雰囲気を味わうことができて最高に楽しいです。
e0241833_18204227.jpg
着物姿も多くて、そうそう、昔、作家といえばこんなイメージだったよなーと思い返しました。
漫画家ならベレー帽か?



[PR]
by hegetare-tsuma | 2017-01-01 18:34 | へげたれ文庫 | Comments(2)

山賊ダイアリー

漫画家兼猟師を営む、岡本健太郎さんの狩猟実録漫画です。
幼少時、田舎で猟師のおじいちゃんと遊びながら狩猟の(魚釣りも含む)楽しさを学んだ岡本君。
e0241833_20295622.jpg

20代後半、ふと東京での生活を捨て(彼女と別れ)、地元での狩猟生活に入ります。

獲物は主に鳥類(もちろんイノシシやシカもありますが)
カモ、ヒヨドリ、ハト、はたまたカラスまで!
解体して、内臓にいたるまで捨てることなくいただいてます。
味付けや調理法もさることながら、合間にクマザサ茶や、たんぽぽ茶を作ったり・・・。
なかなかこまめな方ですね。
「獲ったら食べる、食べたいから獲る!」というスタンスが伝わります。
猟師友達や先輩と一緒に獲物でイッパイやってる姿・・・うらやましい~。

米と野菜・味噌・お茶などの自給ができてるので、次はやはり肉かなぁ。
最近は肉が受け付けなくなってきつつあるんですけど、うーん、鳥なら獲って食べてみたいカモ。
[PR]
by hegetare-tsuma | 2016-09-09 08:08 | へげたれ文庫 | Comments(2)

有名な本ですので読まれた方も多いと思いますが、このたび、やっとじっくり読むことができました。
長崎で認知症のお母様の介護をする日々を綴った漫画です。

お母様が放たれる自在な記憶に翻弄されつつも、その記憶にあわせて「ああ、そんなこともあったなあ。」と思いをはせたり、お母様だけに見える、先に亡くなったお父様の姿を想像してみたりする作者(ペコロスさん)の心のあり方がとてもすばらしく感じました。
介護の記録でありながら、時空次元を自在に行き来しているタイムトラベル記、、という感じもします。

続く、「ペコロスの母の玉手箱」でお母様は亡くなってしまいますが
お父様に抱かれて、童女のようにくるまれたお母様が、

「空にゆっくり落ちていきましょうで 
ゆっくりゆっくり
思い出がパラシュート」

というイメージに圧倒されました。

そして九州弁の会話がとても懐かしく、今も自分の中に息づいている・・・。
[PR]
by hegetare-tsuma | 2014-12-12 09:39 | へげたれ文庫 | Comments(2)

ゴキブリ大全

久しぶりの更新なのに、このタイトル・・・。すみません、苦手な方は読まないでくださいね☆

私は大抵の虫は大丈夫なんですが、こればっかりはどうにも苦手でして。
なぜ苦手なのだろう?
生理的嫌悪感はともかく、やつらに対する知識のなさが恐れを増幅させているのではなかろうか?とも考え、ハイ、図書館にて借りることにしました。

あと、私はマイナーなものに愛を人生を捧げる人達の著作が大好きです。
寄生虫博士、ダニ博士どちらの著作も愛にみちみちていて面白かったなあ。
この本の作者も然り。
自宅で5匹のマダカスカルゴキブリを飼育(うげげ)、名前をつけて娘ジュリアとともに慈しむ日々・・・。(奥さんはどうしたよ?)そして小物(マグネットとか・・・)、映画、書籍、切手にいたるコレクション。
この本も大全と銘打つからには、コンプリートでありたいと、生態から人間の文化における位置づけまで幅広く扱っています。図説も多い・・・。
そう、この図説が精密すぎてなかなかページが進まないんですよ!!
e0241833_1702518.jpg

次のページに図があったらどうしよう・・・と思うとハラハラドキドキ。ぺ、ページがめくれない!

いまもってパラ読み状態ですが、やつらがスーパーな存在であることがわかりまたよ。
お尻にも脳みそがあるんですってよ~!
・・・知れば知るほど恐ろしいわっ!

現在も極早生みかんとり中です。まだまだ続きます。
お留守番のふたり(るーちゃん、やえちゃん)も元気です。
[PR]
by hegetare-tsuma | 2014-10-21 16:48 | へげたれ文庫 | Comments(6)

11/22/63

秋の夜長、読書がモリモリ進みます。
昨年のみかんとりの時夢中で読んだのは「孤高の人」。
今年は「11/22/63」/スティーブン・キング著でございます。
図書館で最新作が、予約もせずにあっさり読めるのが田舎のいいところですな。

「ぼくは泣き虫だったためしがない」
という一文から始まるジェイク・エピングのタイムトラベル記。
タイトルは、Tちゃんならすぐにピンときますか?
ええ、ケネディ暗殺の日付です。
知らなかったなー。これでテストにでてもバッチリよ~。テストないけど。

いきつけのダイナーのコック・アルからタイムトラベルの秘密を打ち明けられ、ケネディ暗殺阻止の任務を負わされるハメになるジェイク。
タイムトラベルのルールは、

1.行き先は1959年9月9日
2.何度も行き来はできるが、そのたびに前回の行動と結果はリセットされる
3.現在に帰ってきたとき、時間は2分経過している

というもの。
暗殺阻止が失敗したらやり直せるけど、スタートは必ず1959年。
かくして、ジェイクは過去で4年間の日時を過ごすことになるのです。

姿をかえて繰り返されるデジャヴ、謎の男、不吉なメタファー。
そして、ジェイクと過去の恋人セイディーの恋。
ホラー・ミステリーから少女マンガファンの心もゆさぶってくれます。
(だってパーティーで、ちょっとドジッ子なセイディーちゃんがこけそうになるところをジェイクがうけとめたのが二人のはじまり・・・って!BGMはグレンミラー「イン・ザ・ムード」・・・スティーブさんよぉ~。よぉよぉ!!)

ラストはちょっと不満ですけど、すごいなぁ、ステーブン・キング!
66歳にしてこの仕事量!
一気に読ませていただきました。
[PR]
by hegetare-tsuma | 2013-10-09 17:38 | へげたれ文庫 | Comments(0)

e0241833_1312661.jpg

高田 郁「みをつくし料理帖シリーズ」

オットーの実家よりオススメされて読みました。
おお、面白いよー!

天涯孤独の少女が大阪の料理屋に育てられるも、その店が没落。
女将さんとともに江戸に行き、そこで縁あって蕎麦屋の主人に見込まれ、店をまかされるようになります。江戸と上方の味や食材の違いなどに悩みつつも、周りの助力や助言に助けられ、名物料理をあみだす主人公・澪の活躍が描かれます。

うーん!数年前に流行った韓国ドラマ「チャングムの誓い」を思い出しますよ。
名物料理をあみだして繁盛すれば、当然周りのねたみもあるわけで、様々な妨害もあります。
それにくじけず、料理に精進する様とか、料理人の心得とは?など胸が熱くなるお話です。

そして澪は少女の頃占い師に「雲外蒼天」の相、と告げられるんですが、この意味するところは「頭上に雲がたちこめ真っ暗にみえるように苦労が絶えないが、その雲をつきぬけたところに蒼い空が広がっている。耐えて精進を重ねよ。」というもの。
むむ、座右の銘にしたい!
[PR]
by hegetare-tsuma | 2013-02-28 13:38 | へげたれ文庫 | Comments(2)

本棚をのぞく

他人の家に行って、楽しみにしていること。
それは、本棚をのぞくこと!
その人がどんな読書をしているのかとか、未知の本との出会いなどがあったりして楽しい。
あと、ぐっとくる瞬間ていうのがありまして、たとえば美術書や戯曲集の中にいきなり「ほりのぶゆき」(「江戸むらさき特急」の人)のマンガがはさんであったりする。これ、ぐっときます。

そして、憧れの人や、作家さんががどんな本を読んでるのか、どんな本がおすすめなのかって気になりますよね?
近年私が読んだ「おすすめ本・読書本」です。

まずは故・児玉清「すべては今日から」「寝ても冷めても本の虫」
読書家としてつとに有名な方でございました。ジェントルマン・清が愛読するのは海外ミステリー。おすすめはディック・フランシス~。
この書評の文章中、「しびれたぜ!」とか「ぐっときたぜ!」とジェントルらしからぬ物言いをする清。ちょっと意外で、嬉しくなるぜ。
一度でいいから、「アタック・チャンスだぜ!」なーんて聞いてみたかったですな。

山崎努「柔らかな犀の角」
努も読書家。愛読するのは伝記。うんうん、人の生き様は小説よりも奇なりですよね~。
努に会いたくなって、「山崎努×伊丹十三フェスタ」開催。
(「お葬式」「タンポポ」「マルサの女」3本でいってみました。)
かっこよすぎて鼻血がでそうな男。国宝指定です。

桜庭一樹「書店はタイムマシーン」他
ウェブで連載しているシリーズです。海外文学、ミステリーなど読みたくなる本が満載。(でも図書館にはなかなかありませんな。)そして、担当編集者達の読書通なことよ!

三浦しをん「本屋で待ち合わせ」
難しそうな本もしをんさんにかかれば、ざっくりとファニーな書評。
なによりも読んだ人(しをんさん)の驚きと感動が率直に伝わります。
個人的には、井上荒野「潤一」の書評の一節にドキリとしました。

ばばかよ「うちのごきげん本」
まんが解説で楽しいです。
巻末、水木しげるに会いにいった、ばばかよさん。
めちゃめちゃ羨ましい!!
[PR]
by hegetare-tsuma | 2012-11-20 20:05 | へげたれ文庫 | Comments(0)

孤高の人

「孤高の人」新田次郎著
山男のあこがれ、不世出の登山家・加藤文太郎をモデルとした小説です。
時代は昭和初期!
神戸の山を1日で縦走したり、単独で冬の北アルプスを踏破するという偉業をなしながらも、社会人登山家としての道もひらいた男。(それまでの登山はお貴族様、上流階級のスポーツ?だったらしい。)
別名、「地下足袋の加藤」「単独行の加藤」
e0241833_8302329.jpg


「単独行の加藤」と呼ばれ山岳界から讃えられたり、批判されたりしてますが
加藤文太郎(以下、文ちゃん)としては、
「別に好きでひとりでやってるわけじゃないんだけど・・・。」って感じです。

山歩きの能力が突出していて、「君は山岳会にとどまるべき器ではない。」など期待されるがゆえに会に所属できず、さらにそのことに異を唱える弁舌ももたぬ文ちゃん。
かわいそー、仲間にいれてやんなよぉ。
e0241833_850611.jpg

しかし、文ちゃんそこでくじけず、「なにくそ、俺は一人でも登るぞ!」
とひとりで装備を考案し、日々鍛錬し、孤独に耐えたからこその「孤高の人」なのです。
e0241833_8503470.jpg

そんな孤独に耐えつつとうとう、冬の北アルプスを縦走するという偉業をなしとげます。
これは世間からしたら「えれぇこった!」っていうぐらい凄いことですが、文ちゃんにしてみたらそんな讃えられるもんでもない・・・、ひとりでやるしかないんだもん、と困惑顔。
そんな中、友人の変容、上司の嫌がらせ、同僚のねたみ(技師としても優秀で、ディーゼルエンジンの開発に寄与した。当然、出世しますので。)、憧れていた女性の堕落などなどが重なりまして~
人間不信!できあがり~!!
e0241833_9203647.jpg

でも、大丈夫。
文ちゃん、少女の頃に見初めた女性とめでたく結婚したことにより
ココロがほぐされていくのです。
美しい妻(会社で連れまわして自慢したいぐらいだそうな(笑))、幸せな結婚生活・・・。
1女も授かります。
妻と布団に寝ていると、野宿の訓練で「結構あたたかいものだ。」と感じだことがまやかしであったことに気づくのです。(そら、そーだ)
山から遠ざかる、文ちゃん。でもそれはそれでいいよね、と思うのですが周りはそうはいきません。
e0241833_9195835.jpg

失恋してやさぐれた後輩(デビル・宮村)が、文ちゃんを冬の北アルプスに連れて行ってしまうのですぅー!!
初めて人と組んで山を登ることに困惑し、ペースをつかめず、デビルな後輩の無謀な計画につきあわされ遭難・・・。

新田次郎せんせいの壮絶な描写、私も冬山を彷徨う気持でございます~!
幻影・幻聴、雪の重さ・・・、頭の片隅では「生徒諸君」沖田君も一緒に遭難!!(泣)

山の美しさと厳しさ、山を歩く人の気持ちが描かれた小説。
山への情熱、再燃でございます~!
[PR]
by hegetare-tsuma | 2012-10-01 09:26 | へげたれ文庫 | Comments(4)